井口昇監督インタビュー(2)からの続き

――中村有沙ちゃんが肩をはだけるシーンもこだわったんですか?
井口:あぁ、それも今言おうと思ったんですけど(笑)、そういうところに全部(注目が)きますね。あれは、台本に無かったんですよ。蛇に体がすり替ってて抜け殻が落ちてるっていうのに服をちゃんと着てるのは変だろうって思ったんですよ。そうやって色々考えたときに邪悪なものが心の中に湧いてきて、これは微妙に(服は)脱げてるだろうって僕は思ったんですね。それで、有沙ちゃんに言ったんですよ「ちょっとだけ肩出すのどうかな?」みたいな感じで、そしたら、全然平気に「あー、はいはいはい」みたいな反応をするわけですよ。で、うわー いいのかなぁと思いながら撮影しました。でも、ああいう一種の思春期の話ですから、どっかでそういう微妙なエロチズムは、必要なんじゃないかなと思っていました。あと、2年先の有沙ちゃんのあの肩はもう無い。今のこの肩を撮っていく必然性は絶対あるんだって考えました。
――物語のながれ上、不自然じゃないですしね。
井口:うん、そうなんですよ。
――でも、最初、観たときは、「あっ!肩が!」って思いましたね。
井口:楳図先生の漫画の中で、よく「あっ!」って驚くじゃないですか。あれみたいな感じで、お客さんもそうなってくれたらいいなっていうのがあったんですけどね。実は僕もあのカット大好きなんですよ。あのカットは最初の編集のときにもう少し短かったんですよ。それを最終的に伸ばしましたからね。「あと2秒伸ばして!」って言って。
<注意:以下に若干のネタばれがあります>
「Movie」カテゴリーアーカイブ
【映画】神の左手悪魔の右手公式サイトオープン
来年公開予定の映画『神の左手悪魔の右手』の公式サイトがオープンしました!
http://kaminohidarite.com/
先日、Umezz.comもロケ現場の取材を行いましたので、撮影風景などお伝えできると思います。ご期待ください。
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《プレスリリース》
神の左手悪魔の右手
楳図かずお 伝説のホラーコミックが遂に映画化!!
1955年のプロデビュー以来、半世紀に渡りホラーコミック界の第一線を行く楳図かずお。その想像力あふれる物語と、見るものを恐怖させる独創的な表現力によって、多くのファンを魅了してきた。膨大な楳図作品の中でも、その創造力と恐怖の表現力がいかんなく発揮された傑作の一つである「神の左手 悪魔の右手」が、遂に映画化される!
監督は、平成「ガメラ」シリーズ3部作の金子修介。主演は、第8回全日本国民的美少女コンテストグランプリ受賞、 “美少女クラブ31”のリーダーとして活躍する渋谷飛鳥。単なるホラーの枠を超え、人間の奥深い闇をも描き出す本作品は、多くの人に想像を超えた恐怖と衝撃を与えるだろう。
※「神の左手 悪魔の右手」の映画化は、今年(05年)2月27日に急逝した那須博之監督が、次回作として準備していた企画。監督の死去により一時は頓挫しかけたが、那須監督とは助監督時代からの盟友だった金子修介監督が、その遺志を引き継ぐ形で今回の映画化となった。
ストーリー
「お姉ちゃん、僕もうすぐ死ぬんだ」
悪夢から目覚めた山辺想(小林翼)は、姉である泉(渋谷飛鳥)に突如そう告げた。
想には、人間の悪意を夢で予知する不思議な力があった。想を死に至らせる悪夢も、どこかで現実に起きていることらしい。その悪夢とは、次々と少女たちが殺されていく恐ろしい夢だった。
夢には、ベッドに寝たきりで父親が描いてくれる絵本だけを楽しみにしている女の子が現れる。優しい表情で、娘の為に自ら描いた絵本を読み聞かせる父親(田口トモロヲ)の姿。しかし、父親の優しげな表情とは裏腹に、その絵本の内容は、惨殺される少女たちの姿を描いた恐ろしい「黒い絵本」だった・・・!悪夢を見るたびに身体に異変がおきる想。悪夢から想を助けるため、泉はその夢の中に現れる男を捜し始める。
恐怖の絵本、惨殺される少女たち・・・、すべての恐怖は、現実の世界とつながっていく。悪夢の謎を解き、泉は想を救うことができるのか―!?
出演:渋谷飛鳥 / 小林 翼 / 前田 愛 / 清水萌々子 / 紗綾 / かでなれおん / 菅原大吉 / 山本奈津子 / 根岸季衣 / 松金よね子 / 渡来敏之 / 今井春奈 / 野木太郎 / 白坂奈々 / 渡辺紀栄 / 広澤 葵 / 中島 舞 / 清水沙映 / 芹沢 花 / 梅田愛子 / 西浦 駿 / 戸田比呂子 / 佐久間麻由 / 神谷美花 / 藤江百香 / 鷲巣知行 / 齊藤あきら / 三上邦彦 / 野村啓介 / 川連廣明 / 楳図かずお / 小木茂光 / 田口トモロヲ
監督:金子修介(「ガメラ」シリーズ、「あずみ2 Death or Love」)
原作:楳図かずお(小学館刊)
脚本:松枝佳紀(アロッタファジャイナ)
撮影:高間賢治(J.S.C.)
美術:及川一
プロデューサー:平田樹彦 / 成田尚哉 / 吉原勲
企画協力:佐々木志郎
製作:「神の左手 悪魔の右手」製作委員会
(東芝エンタテインメント / 松竹 / 衛星劇場 / パノラマ・コミュニケーションズ / アルチンボルド)
配給:東芝エンタテインメント 2006年公開
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《参考リンク》
スポーツ報知: http://www.yomiuri.co.jp/hochi/geinou/sep/o20050919_20.htm
スポニチ: http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2005/09/20/01.html
【まだらの少女】井口昇監督インタビュー(2)
井口昇監督インタビュー(1)からの続き

蛙の唐揚げを賞味する井口監督
――原作にはない部分ということで、京子と弓子が仲良くなっていく過程が説明の付く形で描かれていてうまいと思いました。
井口:たぶん、僕も小中さんも少女趣味なんですよ。いかに女の子達が仲良くなっていくかとか、楳図先生の少女漫画時代のセリフのような言葉でしゃべっているっていうことにカタルシスを感じるところに僕と小中さんの共通項があったので、その点はうまくいったと思います。
――インターネットのシーンはリアルで怖かったですね。
井口:楳図先生から今回の映像化への要請として、『楳図メモ』が各作品に渡されたんです。『まだらの少女』は2点で、『インターネットを出す』『へびはうつる』がキーワードとして要請がきたんです。メモにそれだけ書いてあるんです。それで、『まだらの少女』の中にインターネットをどうやって含めるんだろうって、小中さんもすごく悩んだみたいですね。僕自身も絵にするときに楳図先生の質感を壊さずにインターネットをどう入れていくかというのは、考えましたね。でも、楳図先生すごいなと思いましたね。まだらの少女の中にインターネットを入れるというのは、普通の映像化を考える人はまず考えないだろうと思いましたから。
――中村有沙ちゃんの注射のシーンは苦悶の表情がよかったですね。
井口:やっぱそういうところにきますか!ありがたいですね。有沙ちゃんの芝居で一番粘ったのはあそこですよ。注射して痛がって、痛がり終わるまでを何テイクもやって、あそこだけ鬼監督になりましたね。普段は1テイクでOKってやってるんですけど、あそこだけ「もうちょい、唇を噛み締めるのをあと2秒長く」とかやってましたね。
――最後、有沙ちゃんは胸を撫で下ろすような表情をされてましたね。
井口:最後も、僕が「ふぅーっていう顔やって」とか、「薄く目を開けて」って、かなり細かく指導しました。とにかくまだらの少女で気をつけたのは、有沙ちゃんが怖がったり、苦しんだり、痛がったりする顔は全部アップで撮るっていう、それはポイントでしたね。そういう部分を有沙ちゃんファンがDVDで何度も観て楽しんでもらえるようにっていうのは、考えてましたね。
――そういうことを考えて撮るんですか?
井口:現場で、何を一番考えてたかって、そういうことでしたね。
――興行的なことも一方では考えてたんじゃないですか?
井口:まあ、そうですね。でも、楳図先生の漫画は、女の子が怖がったりする顔が印象的なので実写もちゃんとやるべきだというのがすごくあったんですよね。怯えたりする顔が特徴的じゃないですか。
井口昇監督インタビュー(3)へ続く・・・
《ロケーション協力》
上海家庭料理の店 上海小吃
【まだらの少女】井口昇監督インタビュー(1)
先日の渋谷ユーロスペースでの上映も大好評に終わり、「決定!Best of 『恐怖劇場』in Eurospace」の賞に輝いた『まだらの少女』の井口昇監督にUmezz.comがインタビューを敢行いたしました!楳図作品の大ファンでもある井口監督は、どのような思いで『まだらの少女』を撮影したのでしょうか?是非ご一読ください。

――『まだらの少女』は、原作との忠実度が高くて、すごく面白かったです。
井口:ありがとうございます。やっぱり漫画を原作にした実写版って難しいじゃないですか。僕はそこで一番気にした点は、ファンの方が気を悪くしない作品、ファンの方でも納得できる作品にしないとまずいなっていうのが自分の中でありまして。まだらの少女は有名だし、名作じゃないですか。こりゃとんでもない作品をまかされたなと思って、これを成功させるにはどうすればいいんだろうってことを結構考えまして、プレッシャーでしたね。
――『まだらの少女』の実写化ということで、気をつけた部分はありますか?
井口:脚本の小中千昭さんも僕も向かってるのは、原作の絵と質感のニュアンスですね。女の子が蛇を見て、「あっ!」て、言ったりとか、あとこれ(ムンクの叫びのポーズ)ですよね。楳図さんの実写作品でこれをやったって少ないじゃないですか。やっぱり『楳図驚き』をやるべきだってことで。まずは、ストーリーうんぬんよりも、楳図先生の質感に似せるべきじゃないかなっていうのがありました。でもやっぱり難しかったのは、『まだらの少女』って3部作の真ん中の話で、50分の話にすると無理が出てくるんです。なので、オリジナルの要素を入れないと成立しないという内容だったのですが、それでいて楳図先生のテイストを残しつつ描かなくてはいけないという難関がありましたね。脚本の小中さんが一番その辺で悩まれたと思います。
――撮影期間は一週間だったんですか?
井口:そうです。でも時間がなかったですね。女の子たちが小学生なんで、朝6時集合の夜9時撮影終了ぐらいじゃないと、彼女たちの体力が追いつかないんですよ。しかも遠出なんですよ。東京から一時間半ぐらいの場所でロケだったんです。しかも、泊りじゃなかったんですよ。基本は、行って帰っての繰り返しだったんです。泊れる予算が無かったっていうことでね。
――成海璃子さんは、原作の京子に似てますよね。
井口:プロデューサーが楳図顔の人がいるって連れてきたんです。それで一目見たら、この子似てるなぁって思って、すぐに決めました。中村有沙ちゃんにしても、ある程度原作の顔に近い人を選んでますね。今の女の子ってなかなか楳図顔がいないんですよ。30人ぐらい見たんですけど、なかなか目がクリクリしてて、楳図さん風の顔の人はなかなか居なくて、その中では2人ともベストでしたけどね。
――マリ子役の鈴木理子ちゃんは、特に「クエー!」ってのけぞるシーンがよかったです。井口監督も映画秘宝で、「僕としては鈴木理子ちゃんがおすすめ」と仰っていましたね。
井口:あの子はやっぱりうまいんですよね。マリ子の役だけでも30人ぐらいオーディションしたんですけど、群を抜いてうまかったですね。目を開けたまま目の見えない芝居とか微妙なところがダントツに上手かったですね。単純にかわいいし、現場でも人気高かったですよ。
――理子ちゃんは、小学校2年生ぐらいですか?
井口:8歳でしたよ。去年の11月に撮ったんですけど、あのときの成海璃子ちゃんと鈴木理子ちゃんだと4歳しか違わないんですよ。女の子って4歳でこんなに変わるんだって、そこがびっくりしましたけどね。
井口昇監督インタビュー(2)へ続く・・・
《ロケーション協力》
上海家庭料理の店 上海小吃
某楳図作品映画企画スタート
今年2月に亡くなった那須博之監督の遺した某楳図作品の映画企画がスタートしました!(タイトルはまだ伏せさせていただきます。)
監督は、ガメラシリーズで定評のある金子修介さん。
脚本は舞台「わたしは真悟」で好評を博したアロッタファジャイナ主宰松枝佳紀さんです。
こちらの企画に関しても詳細が発表できるようになりましたら、どんどん情報をアップしていきます。ご期待ください。
《参考リンク》
金子修介の雑記 http://blog.livedoor.jp/kaneko_power009/archives/50043469.html
正しくも松枝日記 http://alotf.cocolog-nifty.com/nikki/cat3690406/index.html